菅野耳鼻咽喉科

神奈川県 川崎市 宮前区 耳鼻科 菅野耳鼻咽喉科

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アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法・減感作療法)

アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法・減感作療法)とは?

アレルギーの原因となるもの(アレルゲン)を体内に少しずつ採り入れ、徐々に体をアレルギーの原因物質に慣らして、症状を和らげアレルギーが起きないようにする治療法です。
2014年から、アレルゲン免疫療法薬「シダトレン」によるスギ花粉症の治療が保険適用にて開始されました。


 

シダトレンによるスギ花粉症治療の「優れている点」と「注意すべき点」は?

《優れている点》

 臨床試験の結果では、およそ80%の方に効果がありました。
   うち、およそ20%の方は症状が出なくなりました。
   残りのおよそ60%の方は症状が改善しました。
 免疫をつくる治療法ですので根治が期待できます


《注意すべき点》

 治療には3年~5年、毎日治療薬を飲み続けなくてはなりません。
 臨床試験の結果では、およそ20%の方には効果がありませんでした。
 万全の対策を講じますが、重大な副作用が生じる可能性を否定できません。

シダトレンによるスギ花粉症治療を受けられない方、注意が必要な方

《受けられない方》

 スギ花粉症ではない
 12歳未満の方
 重い気管支喘息の方

 悪性腫瘍(がん)や免疫系の病気がある方

《注意が必要な方》

 アレルゲンを使った治療や検査によってアレルギー症状をおこしたことがある方
 気管支喘息の方
 65歳以上の方
 妊婦の方、授乳中の方
 抜歯後や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
 重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある方
 他に服用中のおくすりがある方[非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬、
   モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)など]

 全身性ステロイド薬の投与を受けている方
 スギ花粉以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方



副作用について

※とくに注意してください
重篤な副作用が発生しないか、十分な注意が必要なのは次の場合です。
 

  服用後少なくとも30分間
 服用開始初期(およそ1カ月)
  スギ花粉が飛散している時期


《主な副作用》

 口の中の副作用
   口内炎、舌の下の腫れ、口の中の腫れ
 喉のかゆみ
 耳のかゆみ
 頭痛 など

経過観察の上、症状が治まらない場合は直ちに受診が必要です。およそ2%の方に現れます。



《重大な副作用》

 ショック
 アナフィラキシー
   医薬品などに対する過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、
   じんま疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの
   呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)が見られます。



【アナフィラキシーの前兆】
下記のような症状が現れた場合、直ちに医療機関を受診してください。

皮膚の症状
じんま疹、掻痒感、紅斑、皮膚の発赤などの全身的な皮膚症状(医薬品の投与数分から通常は30分以内に、初発症状のことが多い)

呼吸器の症状
声がかれる、鼻がつまる、くしゃみ、喉の掻痒感、胸のしめつけ感、咳、呼吸困難、呼吸の音がゼーゼー・ヒューヒューする、チアノーゼなど

消化器の症状
胃痛、吐き気、嘔吐、下痢など

循環器の症状
頻脈、不整脈、血圧低下など

眼の症状
視覚異常、視野の狭窄など

神経の症状
不安、恐怖感、意識の混濁など


《とくに緊急性が高いアレルギー症状》

とくに下記のような症状が一つでもあてはまる場合、救急車を要請するなど、迅速な対応が必要です。
ご家族も注意してください。


循環器の症状
頻脈、不整脈、血圧低下


神経の症状
意識の混濁


呼吸器の症状
声がかれる、喉の掻痒感、胸のしめつけ感、咳、呼吸困難、呼吸の音がゼーゼー・ヒューヒューする、チアノーゼ


消化器の症状
持続する胃痛、持続する嘔吐


治療を検討している方は、必ず確認してください

 スギ花粉が飛散していない時期も含め、3年以上という長時間の治療を受けられる
 舌の下に薬を2分間保持したあと飲み込むことを毎日継続できる

 2週間に1度、来院・受診できる(平成27年10月からは4週間に1度)
 すべての患者さんに効果を示すわけではないことを理解できる
 効果があって終了した場合でも、その後効果が弱くなる可能性があることが理解できる
 アナフィラキシーなどの副作用がおこるおそれがあることが理解できる



 

治療の流れ

(1)通常の診察
通常の診察を受けていただき、治療が可能かどうかの確認をおこないます。
あわせて、次回の診療日(アレルゲンの初回投与をおこなう日)を決めます。

(2)アレルゲンの初回投与
当院にてアレルゲンの初回投与をおこないます。
投与の後は、約30分間、当院で経過を見ます。

この日は、詳細な説明、舌下免疫療法を受ける同意書の記入手続きもあり、受付から会計終了まで1時間30分ほどを予定しています。

(3)はじめの14日間(増量期)
薬液は、1日1回、舌の下に2分間保持した後、飲み込みます。その後5分間はうがい、飲食をひてください。なお、投与の基本的なやり方は、その後もずっと変わりません。

はじめの14日間(増量期)は、投与するアレルゲンの量を少しずつ増やしていき、体に慣れさせます。

1~7日目は、青色ボトルの薬液を投与します。毎日、定められた用量を舌下に投与し、少しずつ増やしていきます。 8~14日目は、白色ボトルの薬液を使います。1週目と同じように、定められた用量を舌下に投与し、少しずつ増やしていきます。

(4)15日目以降(維持期)

3週目からは、毎日同量の薬液を投与し続けます。1ミリリットル入りの使い切りパックを用い、1日1パック全量を舌下に投与します。
これを3~5年間継続します。

 



●診察と費用について
3割負担の場合、治療費用はおおむね以下のようになります。

 

診察 診察費用 お薬代
初回投与の日(14日分) 再診の場合 約580円 約980円
初回投与から2週間後(28日分) 約580円 約1410円
以後4週に1度通院(28日分) 約580円 約1410円

※お薬代は参考金額です。詳しくは薬局にてお尋ねください。

●「シダトレン」の保管、購入時のご注意
シダトレンは冷所(2~8℃)で保管するように定められています。通常は冷蔵庫内で保管してください。
調剤薬局でお薬を購入される際も、移動時の気温や時間を考慮して、必要に応じて保冷バッグと保冷剤を用意していただいています。


 

参考資料

効果やリスク、具体的な治療イメージなど、ご自身でよく調べておくことを強くおすすめします。下記のサイトに、有効な情報がありますので、ぜひご覧ください。
 

トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ (鳥居薬品による説明サイト)